アグリリン(本態性血小板血症治療剤)医療従事者向けサイト
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作用部位・作用機序

造血幹細胞から巨核球形成及び血小板産生に至る一連の分化過程、並びにアグリリン(アナグレリド)の推定作用点を下図に示します。
造血幹細胞の分化過程とアナグレリドの推定作用点
アナグレリドの明確な薬理学的標的は不明です。血小板を産生する巨核球の形成及び成熟を抑制することにより、血小板数を低下させると考えられます。アナグレリドとその活性代謝物3-ヒドロキシアナグレリドはサイクリックAMPホスホジエステラーゼⅢ(PDEⅢ)阻害活性を有しますが、血小板減少作用とは関連しません。
以前、アナグレリドの血小板減少作用はトロンボポエチン(TPO)/c-mpl受容体が介在する経路を介するものと考えられていましたが、最近のデータから、アナグレリドは、重要な転写因子GATA-1及びFOG-1の発現を抑制することが示されています。これらの転写因子は造血前駆細胞から分化及び成熟の後期に至るまでの巨核球形成の全段階で必要とされます。アナグレリドは、早期のTPO/c-mplを介するシグナル伝達イベント(JAK2、STAT3、ERK1/2又はAKT経路の活性化など)を変化させることなく、PDEⅢ阻害に依存しない機序により、GATA-1及びFOG-1の発現をダウンレギュレートしました1)。アナグレリドは、エリスロポエチン刺激性の赤血球生成又は白血球生成を阻害しません。
1)Ahluwalia M, et al.: J Thromb Haemost 8(10): 2252-2261, 2010